届かない潤いの、ゆくえ。お肌の貯蔵庫を正しく満たすには。

届かない潤いの、ゆくえ。お肌の貯蔵庫を正しく満たすには。

 

私たちの肌(角質層)が一度に吸収できる水分や成分の量には、物理的な限界があります。 イメージしてほしいのは、よく乾いた「スポンジ」です。最初はぐんぐん水を吸い込みますが、一度たっぷり含んでしまえば、それ以上水をかけても溢れてしまいますよね。

スキンケアも同じです。クレンジング、洗顔、化粧水、美容液、パック、アイクリーム……と何重にも塗り重ねても、実は肌の表面はすでに「満タン」。後に塗る成分は、飽和状態の肌表面にただ留まっているのです。



スキンケアは、重ねるほど良いとは限りません。

 

研究が示す「2.7mg/cm²」の壁

Teichmannらの研究(2005)は、角質層が一度に蓄えられる成分の量には限界があると報告しました。被験者の腕を使って実験を行い、角質層が保持できる量は約2.7mg/cm²が限界だと示したのです。これは、顔全体に換算すると、わずか1g、「1円玉1枚分」ほどの重さ(※1) 。驚くほど小さな器です。またこの最大量は、6時間後でも変わりがありませんでした。つまり、時間をかけて放置しても、お肌の「器」が勝手に広がることはないのです。

この研究から示唆されるのは、お肌の「貯蔵庫」のサイズは決まっているということ。 時間をかけて丁寧に塗り込んでも、お肌が溜め込める量が変わることはありません。「長く置けばたくさん入る」わけでも、「何度も塗れば蓄積される」わけでもないのです。つまり、『長く時間をかけてケアをする』ことよりも、『限られた器の中に、いかに質の高い成分を届けるか』が大切になります。

※1)日本人の平均的な顔の面積: 約400cm²としたとき、2.7mgX400 = 1,080mgとなり、約1gである。

「表面だけの潤い」に隠されたリスク

日々のスキンケアの中で、多くの成分を届けようと多くのステップを重ねる場合、多量の成分で肌が保湿されていると、私たちは「潤っている」と錯覚しがちです。しかし、実際には内部まで届かない「表面だけの飽和」が起きていることが少なくありません。

この時にリスクになり得るのが「摩擦ストレス」です。 多数のステップを繰り返すケアは、言い換えれば「何度も肌に触れる」ということ。指先やコットンが肌をなでる行為は、たとえ優しくても、多頻度で繰り返せば角質層に負担となる可能性があります。 良かれと思って重ねたステップが、肌のバリアを乱し、乾燥を加速させてしまうこともあるのです。

そこで、無理に押し込むのではなく、少ないステップでお肌本来の「受け皿」を整え、本当に必要な分だけを最高品質で届けること。それは、お肌へのストレスを最小限に抑え、肌自らが潤いを抱え込む力を信じる「賢い選択」です。Beauté de Pivoineの誠実なスキンケアは、1つのステップの「質」を極限まで高めることで、10年後のあなたの美しさを守ります。


参考文献:
Teichmann A, Jacobi U, Weigmann HJ, Sterry W, Lademann J. Reservoir function of the stratum corneum: development of an in vivo method to quantitatively determine the stratum corneum reservoir for topically applied substances. Skin Pharmacol Physiol. 2005 Mar-Apr;18(2):75-80. doi: 10.1159/000083707. PMID: 15767768.

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